パーリ語アルファベット表記をhtmlで表現する方法

(注意: パーリ語の表記に不具合がある場合は、 こちらのペー ジを試してみて下さい。)

パーリ語のアルファベット表記をhtmlで表現する方法を調べてみました。いくつかの方法があるよう です。

  1. アスキー記号だけで簡略表記する
    • これは、長音のaをaaと表記したりします。
    • 入力が一番単純です。
    • ブラウザ環境への依存も最も少ないと思われます。
    • 読み易さは慣れが必要かも知れません。
  2. ユニコードで割当てる
    これには二つのやり方があります:
    1. ユニコードの文字をそのまま入力する
      例えば ā、 ṃをそのまま入力し ます。
      この方法を採用しているのは例えば、 Journal of Buddhist Ethicsで配 布しているSri Lanka Tripitaka Project Pali経典 や、 Vipassana Research Instituteの Tipitaka Project などです。*
    2. アルファベット26文字以外を直接ユニコード(utf-8)の文字コードを入力します。
      例えば、長音のaは Āと入力します。
    これの特徴は、文字をそのまま入力するにしても、文字コードを入力するにしても
    • 入力がかなり煩雑です。
      • ā、 ṃなどを直接入力するのは、普通は簡単には出来ません。別につくった表か らコピー・ペーストするのが普通のやり方でしょうか。
        注意点としては、ユニコードが扱えるエディターソフトを使う必要があることで す。(そうしないと文字化けする可能性があります。)
      • Āのように入力するのは、キーボードで入力するのは簡単ですが、 どの文字がどのコードかを記憶するか、これも一覧表を逐一参照しなければならないで しょう。
    • ブラウザ環境への依存も(比較的に)小さいと思われます。
      • Windows XP上、Linux上の Firefoxや, Operaなら問題なく表示されるようです。
      • Windows上のInternet Explorer (version 7), Safariでも問題なく表示されるようで す。(2008-3-10(Mon)追記)
      • Windowx XP上のInternet Explorer(version 6)だと表示され ない時があります。

        その時は、「インターネッ トオプション」→「フォント」→「言語セット」で「ラテン語基本」を選びます。 そうしてから「Web ページ フォント(W)」で「Microsoft Sans Serif」を選ぶと 表示されるようになります。

        上の対処方は上手く行かない場合があります。単独のペー ジでは表示されるのですが、ブログ 中では□のように表示されてしまう時があるようです。原因は調査中です。 (2007-5-13(Sun)追記・2007-5-22(Tue)追記 )

    • 読む時の見た目は、一番分かりやすいでしょう。
    ユニコード以外にも、独自フォントを開発している場合もあります。文字コードとフォントを 一対一で対応させる必要があり、それぞれ撰択した文字コードごとにフォントをインストール しなければなりません。調べた範囲では (以前の)VRI Tipitaka Project, Norman, CSXなどがあるようです。
  3. 文字を画像化して貼りつける
    • 非常に手間がかかります。 別のソフトウェア(ワープロなど)でアクセント記号などを含むアルファベットを入力 して画像に変換します。
    • ブラウザ環境の依存性は最も少ないと思われます。
    • 読む場合の見た目は、分かりやすいでしょう。
    • 文字の拡大・縮小が出来ません。

これらの中で現状では、utf-8(ユニコード)の文字コードで入力するのが一番良いのではないかな、と考えま した。

これは

などの理由からです。

パーリ語特有のアルファベットとユニコードとの対応表

参考までに、簡略表記とユニコードの文字コードとの対応表を作ってみました。

簡略表記 16進数 10進数
Ā AA Ā Ā
ā aa ā ā
Ī II Ī Ī
ī ii ī ī
Ū UU Ū Ū
ū uu ū ū
"N Ṅ Ṅ
"n ṅ ṅ
Ñ ~N Ñ Ñ
ñ ~n ñ ñ
.T Ṭ Ṭ
.t ṭ ṭ
.D Ḍ Ḍ
.d ḍ ḍ
.N Ṇ Ṇ
.n ṇ ṇ
.M Ṃ Ṃ
.m ṃ ṃ
.L Ḷ Ḷ
.l ḷ ḷ

htmlソースで、

Buddhaṃ saraṇaṃ gacchāmi.

のように表記したものは、ブラウザ上では

Buddhaṃ saraṇaṃ gacchāmi.

のように見えます。


* 以前のVRIは独自のVRI フォントを配布して、 そのコーディングでパーリ経典を作成していました。現在でもVRIフォントとそのパーリ経典も配布 しているようです。


修正・補筆: Wed May 02 2007 12:34 (+0900)
修正・補筆: Tue May 22 2007 21:25 (+0900)
修正・補筆: Mon March 10 2008 16:56 (+0900)