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[マッジマ・ニカーヤ][象跡喩大経]

2010-04-14

目次


日本語訳

305.

1067友よ、何が風の要素でしょうか?風の要素は内側のものであり得ます、外側のものであり得ます。友よ、何が内側の風の要素でしょうか?内側にあり、各々にあり、風、風の状態のもの、執着されたところものです、それはこのようにです —上に行く風、下に行く風、腹の中の風、腸の中の風、身体の隅々に随う風、出る息、入る息といった、また他にも内側にあり、各々にあり、風、風の状態のもの、執着されたところものは何でもです —友よ、これが、内の風の要素と言われます。また内側の風の要素であるところのもの、外側の風の要素であるところのもの、それこそが風の要素です。「それは私のものではありません、これが私ではありません、これが私の自我ではありません」と、このようにこれを如実に正しい智慧でもって見られるべきです。このように、これを如実に正しい智慧によって見て、風の要素から厭離します、風の要素から心を離貪させます。

パーリ語

(14/21)

305.

1067 Katamā cāvuso, vāyodhātu? Vāyodhātu siyā ajjhattikā, siyā bāhirā. Katamā cāvuso, ajjhattikā vāyodhātu? Yaṃ ajjhattaṃ paccattaṃ vāyo vāyogataṃ upādinnaṃ, seyyathidaṃ— uddhaṅgamā vātā, adhogamā vātā, kucchisayā vātā, koṭṭhāsayā vātā, aṅgamaṅgānusārino vātā, assāso passāso iti, yaṃ vā panaññampi kiñci ajjhattaṃ paccattaṃ vāyo vāyogataṃ upādinnaṃ— ayaṃ vuccatāvuso, ajjhattikā vāyodhātu. Yā ceva kho pana ajjhattikā vāyodhātu, yā ca bāhirā vāyodhātu, vāyodhāturevesā. ‘Taṃ netaṃ mama nesohamasmi na meso attā’ti evametaṃ yathābhūtaṃ sammappaññāya daṭṭhabbaṃ. Evametaṃ yathābhūtaṃ sammappaññāya disvā vāyodhātuyā nibbindati vāyodhātuyā cittaṃ virājeti.

Katamā cāvuso, vāyodhātu? Vāyodhātu siyā ajjhattikā, siyā bāhirā

vāyodhātu?:vāyo 「風」(n. nom.)+ dhātu 「要素」 →

友よ、何が風の要素でしょうか?風の要素は内側のものであり得ます、外側のものであり得ます。

Katamā cāvuso, ajjhattikā vāyodhātu? Yaṃ ajjhattaṃ paccattaṃ vāyo vāyogataṃ upādinnaṃ, seyyathidaṃ— uddhaṅgamā vātā, adhogamā vātā, kucchisayā vātā, koṭṭhāsayā vātā, aṅgamaṅgānusārino vātā, assāso passāso iti, yaṃ vā panaññampi kiñci ajjhattaṃ paccattaṃ vāyo vāyogataṃ upādinnaṃ— ayaṃ vuccatāvuso, ajjhattikā vāyodhātu

vāyo:the form taken by vāya (in cpds.)「風」(n. nom.)
vāyogataṃ:vāyogata 「風の様子・風の状態」(a.)→
uddhaṅgamā:uddhaṃ「上に・後に・高く」(indecl.)+ gama 「行く」(pl. nom.) →「上に行く(風)」
vātā:vāta 「風」(m. pl. nom.) →
adhogamā:adho 「下へ」(adv.)+ gamā →「下に行く」
kucchisayā:kucchi 「腹・胎内・内部」(f.)+sayā →
koṭṭhāsayā:koṭṭhā「腹部」(m., n.)+ sayā →
aṅgamaṅgānusārino:aṅgaṃ「肢体」+ aṅgāni(身体の隅々に)+ anusārin (a. sg. dat. gen.) →
assāso:assāsa 「呼吸・出息」(m.) →
passāso:passāsa 「入息」(m.) →
iti: ind. thus.(used to point out something justmentioned or about to be mentioned, and to show that a sentence is finished).Very often its former i is elided and ti only is remaining.→

友よ、何が内側の風の要素でしょうか?内側にあり、各々にあり、風、風の状態のもの、執着されたところものです、それはこのようにです—上に行く風、下に行く風、腹の中の風、腸の中の風、身体の隅々に随う風、出る息、入る息といった、また他にも内側にあり、各々にあり、風、風の状態のもの、執着されたところものは何でもです —友よ、これが、内の風の要素と言われます。

Yā ceva kho pana ajjhattikā vāyodhātu, yā ca bāhirā vāyodhātu, vāyodhāturevesā

vāyodhāturevesā:vāyodhātu +(r)eva + esā(etad「それ」f. nom.) →「風の要素こそがそれです。」

また内側の風の要素であるところのもの、外側の風の要素であるところのもの、それこそが風の要素です。

‘Taṃ netaṃ mama nesohamasmi na meso attā’ti evametaṃ yathābhūtaṃ sammappaññāya daṭṭhabbaṃ

「それは私のものではありません、これが私ではありません、これが私の自我ではありません」と、このようにこれを如実に正しい智慧でもって見られるべきです。

Evametaṃ yathābhūtaṃ sammappaññāya disvā vāyodhātuyā nibbindati vāyodhātuyā cittaṃ virājeti

vāyodhātuyā:vāyodhātu (f. abl.)→「風の要素から」

このように、これを如実に正しい智慧によって見て、風の要素から厭離します、風の要素から心を離貪させます。


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初出: Wed April 14 2010 21:54 (+0900)


パーリ語はe-Tipiṭaka Quotation (World Tipiṭaka Edition 2005)のパーリ経典を元にしています