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アングッタラ・ニカーヤ 4.2.8 (4-168) Sāriputtasutta

[アングッタラ・ニカーヤ]

目次

(4-168) 4.2.8 Sāriputtasutta

パーリ語

990

Atha kho āyasmā mahāmoggallāno yenāyasmā sāriputto tenupasaṅkami; upasaṅkamitvāāyasmatā sāriputtena saddhiṃ sammodi. Sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā ekamantaṃ nisīdi. Ekamantaṃ nisinno khoāyasmā mahāmoggallāno āyasmantaṃ sāriputtaṃ etadavoca—

atha kho:「そこで、時に」
āyasmā:āyasmant (nom.)→「尊者(は)」
mahāmoggallāno:mahāmoggallāno →「マハー・モッガラーナ尊者は」
yenāyasmā:yena +(a)?(... tena)「...のところに」(「...」は主格を取る。この場合は"sāriputto")+ yasmā(yaのabl.)→
sāriputto:sāriputto →「サーリプッタ尊者が」
tenupasaṅkami;:ten(a)+ upasaṅkami (upasaṃkatimiのaor. sg. 3rd )→「近付いた」
upasaṅkamitvā:upasaṅkamati「近付く」(ger.)→「近付いて」
āyasmatā:āyasmant (instr.)→「尊者(によって)」
sāriputtena:sāriputta (instr.)→「サーリプッタ(尊者)と共に」
saddhiṃ:「共に・一緒に」
sammodi:sammodati 「喜ぶ・挨拶する」(aor. sg. 3rd.)→「挨拶した」
sammodanīyaṃ:sammodanīya(sammodati (grd.))→「喜ぶべき」
kathaṃ:kathā「話」(f. acc.)→「話を」
sāraṇīyaṃ:sāraṇīya (sāreti (saretiのcaus.「記憶させる」)のgrd.「記憶させられるべき」) (acc.)→
vītisāretvā:vītisāreti「交わす」(ger.)→「交わして」
ekamantaṃ:eka+(m)anta「端」(acc.)→「一方に」
nisīdi:nisīdati (aro. sg. 3rd)→「座った」
nisinno:nisīdati (pp)→「座りたる」
āyasmantaṃ:āyasmant (acc.)→
sāriputtaṃ:sāriputta (acc.)→「サーリプッタ(尊者)に」
etadavoca:etad+ avoca (vacatiのaor.)→「こう言われた」

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ダンマパダ第394偈

[ダンマパダ]

目次

第394偈

パーリ語

Kiṃ te jaṭāhi dummedha,

kiṃ te ajinasāṭiyā;

Abbhantaraṃ te gahanaṃ,

bāhiraṃ parimajjasi.

kiṃ: ka「何」(n. nom.)→「何が」
te: tvaṃ(gen.)→「あなたの」
jaṭāhi: jaṭā「結髪」(f.)+ hi「実に」→
dummedha: dummedha (a. voc.)→「愚か者よ」
ajinasāṭiyā;: ajina 「羊皮・かもしかの皮」+ sāṭiya(= sāṭka)「衣」(pl. nom.)→
abbhantaraṃ: abbhantara 「内側・内面」(nt. nom.)→
gahanaṃ: gahana 「密林」(n. nom.)→
bāhiraṃ: bāhira 「外側」(acc.)→
parimajjasi: parimajjati 「磨く・こする」(sg. 2nd.)→「(あなたは)磨く」

日本語訳

何が結髪か、愚かな者よ

何が羊皮衣か

あなたの内側は密林

外側をあなたは磨く


Gatha 394


22x22(2649bytes)上記のダンマパダの日本語訳については著作権は放棄します。御自由にお使い下さい(編集・改変・ソフトウェアに組込むなど)。ただし日本語訳についての質・内容は保証しませんし、この訳をご利用になる上で生じるいかなる不都合に対して、上の日本語訳の作者は責任を負いません。

訳が拙い・不適切なところがあるかも知れません。御指摘あれば幸いです。

初出: Sun August 17 2008 16:23 (+0900)


Dhammapadaのパーリ語はe-Tipiṭaka Quotation (World Tipiṭaka Edition 2005)のパーリ経典を元にしています

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「初期仏教キーワード」

[]

 

初期仏教キーワード星飛雄馬さんの著書「初期仏教キーワード」をご紹介します。

タイトルは「初期仏教キーワード」ですが、実態はAbhidhammatthasaṅgahaのキーワード解説とも言える内容です。そして、citta, cetasika, rūpaなどの分析が大変見通し良く見渡せるように工夫されています。本文では、各キーワードの解説が簡潔に記されています。ブッダの教えを体系的に眺める上でのハンドブックとして大変役に立つと思います。

本書のAbhidhammatthasaṅgaha的な性格は構成と内容の両方でそう言えます。もちろん、これは「スマナサーラ長老と藤本晃博士による『ブッダの実践心理学』シリーズの副読本として(…)編まれた」(本書「はじめに」より)ことから自然な流れに思われます。

(私の不勉強もありますが)このような主題で仏教キーワードを解説する本は、あまり例がないのではないかと思われます。近いものでは、Nyanatiloka長老の"Manual of Buddhist terms and doctrines"がありますが、こちらはSutta・Abhidhammaに関する網羅的な辞書の性格と言えそうです。

本書の構成

まず全体の構成はぼほAbhidhammatthasaṅgahaに沿っています。

全体の構成を抜き書きしてみましょう:

  1. paramattha-sacaca (勝義諦)
  2. citta(心)に関する言葉
  3. cetasika(心所)に関する言葉
  4. rūpa (物質)に関する言葉
  5. 瞑想に関する言葉
  6. その他の初期仏教の言葉
となっています。

一方、Abhidhammatthasaṅgahaの目次は次のようになっています:

  1. Citta-saṅgaha-vibhāga (心の分析)
  2. Cetasika-saṅgaha-vibhāga (心所の分析)
  3. Pakiṇṇaka-saṅgaha-vibhāga (雑多な部分の分析)
  4. Vīthi-saṅgaha-vibhāga (認識の分析)
  5. Vīthimutta-saṅgaha-vibhāga (離路の分析)
  6. Rūpa-saṅgaha-vibhāga (物質の分析)
  7. Samuccaya-saṅgaha-vibhāga (集(分類)の分析)
  8. Paccaya-saṅgaha-vibhāga (縁起の分析)
  9. Kammaṭṭhāna-saṅgaha-vibhāga(瞑想対象の分析)

(ちなみに『ブッダの実践心理学』シリーズでは「物質の分析」を一番最初に行っています)。

内容

本書の目次がまさにAbhidhammatthasaṅgaha のsummaryになっています。これにより見通しよく眺められるようになっています(23ページ・55ページ・83ページには一ページに収まるように再掲されています)。

例えば「第一章 cittta (心)に関する言葉」の目次を見て抜き書きしてみましょう:

  1. kāma-avacara-citta — 54種類
    1. akusara-citta — 12種類
      • (1)-(8) lobha-mūla-citta — 8種類
      • (9)-(10) dosa-mūla-citta — 2種類
      • (11)-(12) moha-mūla-citta— 2種類
    2. ahetuka-citta — 18種類
      • (13)-(19) akusara-vipāka-citta — 7種類
      • (20)-(27) ahetuka-kusala-vipāka-citta — 8種類
      • (28)-(30)ahetuka-kiriya-citta — 3種類
    3. sobhana-citta — 24種類
      • (31)-(38) mahā-kusala-citta — 8種類
      • (39)-(46) mahā-vipāka-citta — 8種類
      • (47)-(54) mahā-kiriya-citta — 8種類
  2. rūpa-avacara-citta — 15種類
    1. (55)-(59) kusala-citta — 5種類
    2. (60)-(64) vipāka-citta — 5種類
    3. (65)-(69) kiriya-citta — 5種類
  3. arūpa-avacara-citta — 12種類
    1. (70)-(73) kusala-citta — 4種類
    2. (74)-(77) vipāka-citta — 4種類
    3. (78)-(81) kiriya-citta — 4種類
  4. lokuttara-citta — 8種類
    1. (82)-(85) magga-citta — 4種類
    2. (86)-(89) phala-citta — 4種類

索引

索引は英語のアルファベット順です。これには賛否が分かれるところだと思います。本書は基本的にパーリ語表記を主にして扱っているので、個人的にはパーリ語の順番の方が良いように思えます。

まとめ

スリランカ、ミャンマー(ビルマ)などの仏教国では当たり前のように学ぶ Abhidhammatthasaṅgahaの内容をコンパクトに見渡せるようにする試みの本書は、大変役立つ以上に、「ブッダの実践心理学」シリーズと合わせて、そういった仏教国の方々と同じバックグラウンドを共有するための一歩になるのではないかと感じています。

本書「はじめに」に『すべては収録することをはできませんでした』とあることから、今後さらに充実していくことを期待できそうです。


初出: Tue December 30 2008 20:24 (+0900)

修正: Thu January 01 2009 09:50 (+0900)

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最終更新時間: 2015-06-29 12:47