前の月/ 次の月 / 最新 hohiのPali語学習・作業記録

01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

「この瞬間がすべての幸福— Present Moment, Wonderful Moment」

[][瞑想]

ティク・ナット・ハン師のPresent Moment, Wonderful Momentを星 飛雄馬さん翻訳されたものです。本の表紙

職場での出来事で乱れる時が多いな、日常の気付きが上手く出来ないな、と思ってヒントになるものはないかと探していたところに、原書のサブタイトルが目に止まりました。それはは"Mindfulness Verses For Daily Living"、「日常での気づきのガーター」という意味あいでしょうか。早速、原書を読みはじめたところに、星さんが翻訳を出されることになりました。(なんという偶然でしょう。)

この本は、私達の日常のやることに関する全部で53の偈(ガーター)が詠まれ、それぞれに短いエッセイ風の法話が書かれています。

日常の気づきのヒントがたくさんあると思います。

70ページから:

「息を吸い、私は自分の身体を鎮めます」「息を吐き、私は微笑みます」これを三回繰り返しま す

座る瞑想のまえに、これをするととても穏かに瞑想を始められる時があります(そうでない時もあるのですけどね…)。

…そして自分自身に「もし私が今平安や喜びを感じないなら、いつ平安と喜びを得ることができるだろう?明日だろうかそれともあさってだろうか?何が原因で今この瞬間幸せになれないのだろう」と尋ねてみましょう。

落ち込んでる時や、怒っている時は、このように問題をよく観察して、なにが本当の問題なのかをはっ きり認識することが大事だと思います。

うまく瞑想が出来ないときには、原因を瞑想の対象にすることを思い出させてくれます。

瞑想の時はもちろん、朝目覚めてから、トイレ、手を洗う、服を着る、お風呂に入る、食卓の準備をする、食事をする、皿を洗う、電話をする、テレビをつける、掃除をする、車を運転する、これら日常での私達が行うことに気づくためのガーターが優しい言葉で詠まれています。

172ページからの「気づきのある食事とは」を読んで、普段の食事の時をとても反省させられます。

呼吸をしたら、微笑みます。他の人たちと一緒に食卓を囲むときは、真の友愛の微笑みと理解を 表すチャンスです。それは大変簡単なのに、そうしている人は少ないものです。

食事の時こそ家族全員が集まる時です。我が家でも、まず食卓に座るところから実践しはじめました。

この本のガーターを日常の瞬間・瞬間で思い出し、気づきを絶やさなければ、幸福な瞬間が連続する ことになるわけです。でも実際には「忙しさのあまり、自分が今やっていることを忘れたり、自分が 誰なのか、忘れてしまうことがあります。」(6ページ)そんな時でも、この本のタイトル「今の瞬間 が全ての幸福, Present Moment, Wonderful Moment」を思い出して、気づきに優しく戻せるように努 めようと思わせてくれる本です。

こうやって、引用しているとよく分かりますが、訳もとても自然で優しい日本語です。星さんのお人柄と、ティク・ナット・ハン師への尊敬の念がうかがえます。



初出: Sat January 19 2008 21:34 (+0900)

続きを読む

連声(sandhi)のまとめ

[パーリ語]

BuddhaNet A Grammar of the Pali Language を参考にしています。

目次

連声(sandhi)とは 

ある単語が別の単語と連結される時の音の変化

一般的なルール 

  • 母音で終わる単語+ 母音で始まる単語
  • 母音で終わる単語+ 子音で始まる単語
  • niggahīta(ṃ)で終わる単語+ 母音または子音で始まる単語

(細かいことですが、ここでの「+」記号は、算術的なもの(順番が可換)ではなくて、「単語をこの順番で連結させる」という意味を簡便に表記するためのものです。)

母音の連声 

母音の前の母音は省かれる 

aの省略
  1. yassa+ indriyāni =yassindriyāni
  2. ajja+ uposatho =ajjuposatho
āの省略
  1. mā+ āvuso= māvuso
  2. tadā+ uṭṭhahi =taduṭṭhahi
iの省略
  1. udadhi+ ūmiyo = udadhūmiyo
  2. aggi+ āhito = aggāhito
īの省略
  1. bhikkhunī+ ovādo =bhikkhunovādo
  2. migī+ iva =migiva
注意

aの前のīはめったに省略されない。

例外は tuṇhassa =tuṇhī+ assa

thṇhī ahesuṃの場合は、省略されない。

uの省略
  1. dhātu+ āyatanāni =dhātāyatanāni
  2. dhātu+ indriyāni =dhātindriyāni
ūの省略
  1. jambū+ ādīni = jambādīni
  2. jambū+ īrita vātena = jambīritavātena
eの省略
  1. laddhome+ okāso = laddho m'okāso
  2. gātha me+ udīritā=gāthām'udīritā
oの省略
  1. eso+ āvuso āyasmā=es'āvusoāyasmā

後の母音が、前の母音と似ていない時に省かれる 

  1. cakkhu +indriyaṃ=cakkhundriyaṃ
  2. yassa+ idāni =yass'idāni

前の母音が省かれ、後の母音が長くなる 

  1. tatra+ ayaṃ=tatrāyaṃ
  2. sa+ atthikika =sātthika
  3. kiki+ iva = kikīva
  4. kamma+ upanissayo =kammūpanissayo

後の母音が省かれ、前の母音が長くなる 

  1. vi+ atimānenti =vītimānenti
  2. kiṃsu+ idha vittaṃ=kiṃsūdha vittaṃ

a,+ i,= e, a,+ u,= o 

a, ā+ i, ī
  1. upa+ ikkhati =upekkhati
  2. jina+ īritanayo =jineritanayo
  3. ava+ ecca =avecca
  4. bandhussa+ iva = bandhusseva
例外
  • a の後の iti は ātiになる
    1. tassa+ iti=tassāti
    2. tissa+ iti=tissāti
  • aの後のi は省かれる
    1. pana+ ime =pana'me
    2. tena+ ime =tena'me
a, ā+ u, ū
  1. canda+ udayo =candodayo
  2. na+ upeti = nopeti
  3. udaka+ ūmi =udakomi
  4. yathā+ udaka =yathodaka

同類の音が二つ重なると長くなる 

  • a + a = ā, a+ ā=ā, ā+ a = ā, ā+ ā= ā
  • i + i = ī, i + ī= ī, ī+ i = ī, ī+ ī= ī
  • u + u = ū, u+ ū=ū, ū+ u = ū, ū+ ū= ū
  1. ñāṇa+ ālokena =ñāṇālokena
  2. demi+ iti =demīti

母音で始まる動詞の前のi, 

  1. gāthāhi ajjhabhāsi
  2. adhivāsesi avihaññamāno
  3. satthu adāsi

itiが続かないは最後の母音は、他の母音の前でも変化しない 

  1. 呼格の名詞の場合

    kassappa etaṃ...

  2. 長母音で終わり、続く単語と合成語をつくらない場合

    bhagavā uṭṭhāyāsanā

  3. 不変語の後、母音はそのまま
    • atho + anto ca =atho anto ca
    • atha kho + āyasmā=atha kho āyasmā
    • no + atikkamo =no atikkamo
  4. 動詞の前のi,
不変語

次に挙げるのは普通に出会う不変語

atho, atha, yeva, adho, yathā, tathā, tāva, yāva, eva, ivā, va, re, are, ca , hi, tu, kacci, kho, khalu, kira, pana, ce, nanu, nūma, nāma,

不変語には二種類がある: nipāta (副詞)と upasagga (前置詞)。upasagga (前置詞)は20だけ:ā, u, ati, pati, pa, pari, ava, parā, adhi, abhi, anu, upa, apa, api, saṃ, vi, ni, nī, su, du,(saddanīti: catupadavibhāga)。その他は全てnipāta(副詞)

注意

a, i, eで始まる不変語: atha, iva, evaは次のsandhiの規則に従う:

  1. itthī+ iti =itthīti
  2. sabbe + eva = sabbe'va
  3. so + eva =sveva
  4. na + ettha = n'ettha

e以外の長母音か、子音が連結して続く短母音の前では、eは省かれる 

  1. me+āsi = msi
  2. sace+assa = sac'assa

o, 

  1. yo+ahaṃ=yo'haṃ
  2. cattāro+ime = cattāro'me

母音から半母音への変換 

母音 i, u, e, oは、他の母音が続くときは半母音に変換される

  • iとeの半母音はyになる
  • uとoの半母音はvになる
最後のiは、似てない母音が続くときは yに変換される
  1. vi+ākasi =vkasi
  2. vitti+anubhuyyate = vittyanubhuyyate
  3. dāsi+ahaṃ=dāshaṃ
注意

it + eva =itveva

me, te, ke, yeなどのeはyに変わる・一つの子音の前aがeの後に来る時はāに長くなる
  1. me+ ahaṃ= mhaṃ
  2. me+ayaṃ= myaṃ
  3. te+ ayaṃ= tyaṃ
  4. te+ ahaṃ= thaṃ
  5. ke+ assa = kyassa (こちらの規則も参照のこと)
例外
  1. 長い母音の前のeは省略される時がある

    me+ āsi =msi

  2. 重なった子音の前の短母音がeの後につく時は、eが省略される時がある

    sace+ assa =sac'assa

  3. 最後のeは続く母音を省略する時がある
    1. te+ ime =te'me
    2. sace+ ajja =sace'jja
  4. 最後のe とaで āになる時がある

    sace+ ayaṃ= sacāyaṃ

uの後に似ていない母音が続く時、vに変換される
  1. anu+ eti =anveti
  2. dhātu+ anta =dhātvanta
  3. dhātu+ attha =dhātvattha
  4. bahu+ ābādho =bahbādho
  5. su+ āgataṃ= sgataṃ
  6. anu+ aḍḍhamāsaṃ= anvaḍḍhamāsaṃ
例外
  1. 似ていない母音の前の最後のuは省略される時がある

    sametu+ āyasmā=sametyasmā

  2. まれではなく、u + i = ū

    sādhu+ iti = sādhūti

似ていない母音の前の最後のoはvに変換される
  1. ko+ attho =kvattho
  2. agamā nu kho+ idha =agamā nu khvidha
  3. yato+ adhikaraṇaṃ= yatvadhikaraṇaṃ
  4. yo+ ayaṃ= yyaṃ
例外

長い母音の前、あるいは重なった子音の前の短母音の前の最後のoは省略される時がある

  1. kuto+ ettha = kut'ettha
  2. tato+ uddhaṃ= tat'uddhaṃ
  3. tayo+ assu = tay'assu
注意
  1. u, k, kh, t, th, d, na, y, s, h
  2. 母音接続を避けるために、iまたはīの後と短母音で始まる語の間にyを挿入する時がある
    1. aggi+ āgāre =aggiyāgāre
    2. sattamī+ atthe = sattamīyatthe
  3. 同様に、母音接続を避けるために、最後のuと他の母音との間にvが挿入される時がある
    1. du+ aṅgikaṃ=duvaṅgikaṃ
    2. bhikkhu+ āsane =bhikkhuvāsane

子音の挿入 

  • まれではなく、母音接続を避けるために、二つの母音の間に子音を挿入する場合がある
  • 挿入される子音は, v, m, d, n, t, r, l(=ḷ), h。
  • よく使われるのは, d, r , y, v。
注意

こういった子音は、単に古い言語の形が復活したもの、例えば

puna+ eva = punareva

のrは単に復活したもの。

yの挿入
  1. na+ imassa = nayimassa
  2. mā+ evaṃ=māyevaṃ
  3. santi+ eva = santiyeva
vの挿入
  1. bhū+ ādāya = bhūvādāya
  2. migī bhantā+ udhikkhati = migī bhantā vudikkhati
  3. pa+ uccati = pavuccati
mの挿入
  1. idha+ āhu =idhamāhu
  2. lahu+ essati = lahumessati
  3. bhāyati+ eva =bhāyatimeva
dの挿入
  1. saki+ eva = sakideva
  2. tāva+ eva = tāvadeva
  3. sammā+ aññā= sammādaññā
注意

dが挿入されるのは

  • 不変語uの後
  • とても頻繁にsakiṃ, kenaci, kiñci, kinniñci, koci, sammā, tāva, punaの後
  • ya, ta, sa などの後*
  1. u + aggo =udaggo
  2. u+ apādi =udapādi
  3. kenaci + eva =kenacideva
  4. yāva + attthaṃ=yāvadatthaṃ
  5. puna + eva =punadeva
  6. ta+ atthaṃ= tadatthaṃ
  7. ta + antaro =tadantaro
  8. eta + atthaṃ= etadatthaṃ
* mahārūpasiddhi (sandhi)

古い言語(サンスクリット)から残っている単語のほとんどでは、dはいつでもそのまま残る。例えば、元来パーリ語のuはそのままで、サンスクリット由来の場合はudになる。同様に、ci(パーリ語由来), cid(サンスクリット由来)になる

nの挿入
  1. ito+ āyati = itonāyati
  2. ciraṃ+ āyati =citraṃnāyatiまたは cirannāyati
tの挿入
  1. yasmā+ iha = yasmātiha
  2. ajja+ agge = ajjatagge
注意

子音tは一般的に、yāva, tāva, ajjaなどの語の後、iha, agga の前に挿入される。多くの場合は、単なる復活。

rの挿入
  1. ni+ antaraṃ= nirantaraṃ
  2. ni+ ojaṃ=nirojaṃ
  3. du+ atikkamo = duratikkamo
  4. du+ ājāno = furājāno
  5. pattu+ ahosi = pāturahosi
  6. catu+ ārakkhā= caturākkhā
注意1

tathā evaと yathā evaの間には、riが挿入されることが頻繁にある。前のāは短くなり、evaのeは省略される; tathariva, yathariva

注意2

子音rは一般的に、ni, du, pātu, puna, dhi, patta, catu,などの不変語の後に挿入される。多くの場合は、単なる復活。

l (=ḷ)の挿入

一般的に、cha「6」の後にl (=ḷ)が挿入される

hの挿入
  1. su+ ujuca =suhujuca
  2. su+ uṭṭhitaṃ= suhuṭṭhitaṃ

子音の連声 

母音で終わる単語の後に子音で始まる単語が続く時に連声がある

子音の前では、母音は短かくなる 

  1. yathā+ bhāvi + geṇena = yathabhāviguṇena
  2. yṭṭaṃ vā hutaṃ vā loke = yiṭṭhaṃ va hutaṃ va loke

子音の前の母音が短い場合は、長くなることがある 

  1. du+ rakkhaṃ=dūrakkhaṃ
  2. su+ rakkhaṃ=sūrakkhaṃ

母音で終わる単語や不変化詞の後の子音は二重になる 

  1. idha+ pamādo = idhappamādo
  2. su+ paṭṭhito = suppaṭṭhito
  3. vi+ payutto = vippayutto
  4. a+ pativattiyo =appativattiyo
  5. pa+ kamo = pakkamo
  6. yathā+ kamaṃ= yathakkamaṃ(この規則も参照のこと)
  7. anu+ gaho =anuggaho
  8. vi+ jotati = vijjotati
  9. kata+ ñū= kataññū
  10. du+ labho = dullabho
  11. du+ sīlo = sussīlo
注意1

母音の後のvはbbになる

  1. ni+ vānaṃ= nibbānaṃ
  2. ni+ vāyati = nibbāyati
  3. du+ vincchayo =dubbinicchayo
注意2

子音の二重化は接頭辞の後で一般的に起こる

  1. u, upa, pari, ati, pa, a, anu,など
注意3

子音が二重になる規則は、気息音を二重の無気息音で置き換える、無気息音を二重の無気息音で置き換えること。つまり無気息音はそれ自身で二重になる。

接続する子音の前の母音は韻律的に長くなる、長母音ā, 

つまり、規則「母音で終わる単語や不変化詞の後の子音は二重になる」に従い、長い母音で終わる不変語の後の子音が二重になって、この長い母音は短くなる

  1. ā+kamati =akkamati
  2. parā+ kamo= parakkamo
例外
  1. na+ añña = nāñña
  2. na+ assa = nāssa
  3. na+ assu =nāssu
  4. kasmā+ assa = kasmāssa
  5. tatra+ assa = tatrāssa
  6. sa+ antevāsiko = sāntevāsiko
  7. sa+ atthi = sātthi
  8. vedanā+ khandho = vedanākkhandho

子音の前では、so, esoのoはaに変わることがある 

  1. eso dhammo または esa dhammo
  2. so muni または sa muni

母音の前でもこの変化がある時がある。つまり、母音接続をつくって、母音がそのままになる。

  1. so attho または sa attho

oがaになる変化は、頻繁ではないが、ayo「鉄」、mano「心」、tamo「暗いこと」、paro「他の」、 tapo「苦行」など他の幾つかでもある

  1. ayopatthaṃあるいは ayapatthaṃ

niggahīta(ṃ)の連声 

子音が続く ṃは変化しない時がある 

  1. taṃ dhammaṃ kataṃ
  2. taṃ khaṇaṃ
  3. taṃ patto

子音が続く ṃは、その子音が鼻音化する時がある 

  1. raṇa+ jaho = ranañjaho
  2. taṇha+ karo = taṇhaṅkaro
  3. sa+ hito = saṇṭhito
  4. juti+ dharo = jutindharo
  5. sa+ mato = sammato
  6. eva+ kho = evaṅ kho
  7. dhamma+ ca =dhammañca
  8. ta+ niccutaṃ= tanniccutaṃ
注意

最初の文字がlの単語の前では、saṃやpaṃのṃはlになる。

  1. sa+ lakkhaṇā=sallakkhaṇā
  2. paṭi saṃ līno = paṭisallīno
  3. sa+ lekko = sallekho
  4. pu+ liṅgaṃ= pulliṅgaṃ

eかhが続くṃはそれぞれññ ñhに変化する 

  1. ta+ eva = taññeva
  2. paccantara+ eva = paccantaraññeva
  3. eva+ hi kho =evañhi kho
  4. ta+ hitassa = tañhitassa

ṃの後にyが続く時は同化してññになる 

  1. sa+ yuttaṃ= saññuttaṃ
  2. sa+ yoho saññogo
注意

まれではなくて、合体が起こらないでそのまま二つの文字が残る時もある

  1. saṃyuttaṃ
  2. saṃyojanaṃ

母音が続く時、ṃはmになる 

  1. ta+ atthaṃ=tam atthaṃ
  2. ta+ āhu =yam āhu
  3. ki+ etaṃ=kim etaṃ
注意

母音の前のṃはdになる時がある 

  1. eta+ attho =etadattho
  2. eta+ eva = etadeva
  3. eta+ avoca = etadavoca
  4. ya+ anataraṃ=yadanataraṃ
  5. ya+ idaṃ=yadidaṃ
注意

ṃがdに変化するのは、実際よりはずっと仮想的なもの。ほとんどの例では、 dは単に残るだけのもの。子音の挿入のところを参照のこと

母音または子音の前のṃは省かれる 

  1. asa ahaṃ santike =tāsāhaṃ santike
  2. ariyasaccāna+ dassanaṃ=ariyasaccānadassanaṃ
  3. etaṃ buddhāna+ sāsanaṃ=etaṃ buddhānasāsanaṃ

母音や子音の前にṃが挿入される時がある 

  1. ava siro =avasiro
  2. manopubba gamāa = manopubbagama
  3. cakku + udapādi = chakkhu udapādi
  4. yāva c'idha=yāvañc'idha

ṃの後の母音が省かれる 

  1. ki+ iti = kinti
  2. ida+ api = ida pi
  3. cakkaiva =cakka va
  4. kali+ idāni = kali'dāni または kalin dāni

その他

 

文字の入れ替え

 

それほど多くないが、文字が入れ替えられる場合

  1. dhがhになる; rudhira = ruhira
  2. dがtになる; sugado = sugato
  3. tがṭになる; pahato = pahao
  4. tがdになる; gantabba = gandabba
  5. gがkになる; hatthupaga = hatthupaka
  6. rがlになる; paripanno = palipanno
  7. yがjになる; gavayo = gavajo
  8. kがyになる; sake pure =saya pure
  9. jがyになる; nijaṃputtaṃ= niyaṃputtaṃ
  10. tがkになる; niyato = niyako
  11. kがkhになる; nikamati = nikhamati

音の縮約(二つの音節が一つに縮約された)は曲折アクセント^で示される 

  1. sādu hoti, lacchasâti.
  2. taṃ... gaṇhissāmâti
注意

多くのテキストでは、縮約は長い母音として(例えばāとか)表示されています。

ユニコードの文字タグは âなど。cirumflexで検索すると出てくる。

母音の省略は'(アポストロフィ)で表現される 

  1. ekan'ūno = ekaena ūno
  2. idān'eva = idāni eva
  3. pi'ssa = pi assa
  4. tass'ekadivasaṃ= tassa ekadivasaṃ


初出: Tue January 01 2008 18:12 (+0900)
修正: Thu December 30 2010 22:56 (+0900)

続きを読む

ダンマパダ第5偈

[ダンマパダ]

目次

第5偈

パーリ語

Na hi verena verāni sammantīdha kudācanaṃ

Averena ca sammanti esa dhammo sanantano.

Na:〜でない
hi:実に
verena: vera (n)「怨み」の具格;怨みで
verāni: vera(n)「怨み」の複数・主格:怨みが
sammantīdha: sammanti (sammati「静まる」の三人称・複数)+ idha「ここに」
kudācanaṃ:決して、いかなる時も
Averena: a(否定)+ verena(具格)怨まないことで
ca:〜もまた
sammanti: sammati「静まる」の三人称・複数
esa:これ
dhammo:真理が(主格)
sanantano.:昔からの、永遠の(形容詞・主格)

日本語訳

まことに、怨みによって怨みが静まることは、決してありません。

怨まないことで静まるのです。この真理は永遠です。


22x22(2649bytes)上記のダンマパダの日本語訳については著作権は放棄します。御自由にお使い下さい(編集・改変・ソフトウェアに組込むなど)。ただし日本語訳についての質・内容は保証しませんし、この訳をご利用になる上で生じるいかなる不都合に対して、上の日本語訳の作者は責任を負いません。

訳が拙い・不適切なところがある思います。御指摘あれば幸いです。

初出: Wed January 02 2008 17:53 (+0900)


Dhammapadaのパーリ語は Journal of Buddhist Ethic のユニコード版のパーリ経典を元にしています。

続きを読む

人間はあべこべ感覚で生きる 〜「私は死なない」の幻想〜 かやの木会館でのスマナサーラ長老月例法話メモ(2008年01月26日)

[スマナサーラ長老][法話メモ]

(ajitaさんの紹介・解説かやの木講演会「人間はアベコベ感覚で生きる」も御覧下さい。)

目次


イントロダクション

「あべこべ」とは誰のこと?

  • 世間は自分達をあべこべとは思っていない
  • 世間(や学校)と違うことを宗教は語る
  • 例えばヒンドュー教を含む全ての宗教は、『この世そのままでは幻想』
    • この世: māyā(幻想)
    • 真理:唯我一論(不二) advaya, advaita
  • 他の一神教:『この世は本物ではない→本当の世界は神が別に用意している』
  • 一般人にとっては「この世は現実」(神の魂はなかなか見えない)
  • だから、大変な問題が起きない限り、宗教・戒めにも興味がない

倫理と心の安らぎが危険

  • 宗教は『世界があべこべ』と説く、世界は『宗教はあべこべ』と説く
  • 『欲を満たし、長生きすること』が本心から、真面目に正しい生き方だと思っている
    →道徳・倫理の優先順位は最低位
  • 自分の期待さえ叶うならば、どんな残酷なこともする
    →これが人間の本音、人間の普通の生き方

倫理に説得力が無い

  • 『とことん儲けなさい、金持ちになりなさい、長生きしなさい、欲を満たしなさい、ライバルに勝ちなさい』という話は『当たり前』
  • 「欲張らない」「嘘をつかない」「敵も許しないさい」は『信じがたい』
  • その言葉をあべこべだと思う
  • 「あべこべ争いで」倫理・心の安らぎは危うい(みんな『自分さえ良ければ良い』それが『当たり前』の世の中→苦しい世の中

続きを読む

ダンマパダ第6偈

[ダンマパダ]

第6偈

パーリ語

Pare ca na vijānanti mayamettha yamāmase

Ye ca tattha vijānanti tato sammanti medhagā.

Pare: (para)主格・複数、「他の(人々は)」
ca:(〜もまた)
na:〜でない
vijānanti:知る(vijānātiの三人称・複数)
mayamettha: mayaṃ「私達は」 + etha 「ここに」
yamāmase: ymati「消え行く」「死に行く」の反照態 12
Ye:関係代名詞Yoの主格・複数「〜である者は」
ca:(〜もまた)
tattha: そこに
vijānanti:
tato: それゆえに
sammanti: sammati「静まる」の三人称・複数
medhagā.: medhaga「確執、論争」の複数・主格


日本語訳

他の人々は理解していないのです、私達は死にゆくものであることを。

それを理解している者は、それゆえに(彼らの)論争は静まるのです。


[1] "Pāli Reader and Pāli Glossary", D. Andersen

[2] Gatha 6


22x22(2649bytes)上記のダンマパダの日本語訳については著作権は放棄します。御自由にお使い下さい(編集・改変・ソフトウェアに組込むなど)。ただし日本語訳についての質・内容は保証しませんし、この訳をご利用になる上で生じるいかなる不都合に対して、上の日本語訳の作者は責任を負いません。

続きを読む

2015 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2014 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2013 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2012 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2011 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2010 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2009 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2008 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2007 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12

最終更新時間: 2015-06-29 12:47